あんずの家では、５月から入浴サービスが開始しました。
家の風呂では洗ってもらうときや浴槽につかるときなど、僕は全て親にしてもらわないといけないので、随分と親に負担をかけています。親も高齢になり、体調不良の日も度々あるようになっていました。そんな時は、僕がお風呂を我慢することが、親の体を気遣うことになると思い、これまで毎日入浴することは出来ませんでした。
僕だけでなく、あんずの家に通ってきている人の多くが、一人でお風呂に入ったり、洗身することができず、みんな大なり小なり家族の人に手伝ってもらっているので、施設での入浴サービスは、僕達利用者はもちろん、家族の人にとっても、大変うれしい知らせでした。
あんずの家では椅子に座ったままで、浴槽にゆっくりとつかることが出来ます。
椅子に座って、浴槽に入る様子は、まるでサンダーバードの世界に入ったようです。サンダーバードと言っても若い方は、知らない人が多いでしょうネ。そう言ったら、僕の年が分かちゃったかな？
４月中旬頃の事、施設長さんが朝の会で「一番最初にあんずの風呂に入りたい人？」と聞かれました。
僕は思いきって、手を挙げました。他にも手を挙げた人がいて、タッチの差で僕が早かったようで、一番風呂に入れる事になりました。
とても嬉しかったです。
そして、いよいよ５月１日を迎えました。
最初は緊張していたけど、湯船につかると自然に力が抜けてきて、知らないうちにリラックスして、気がつけばルンルン気分になってきました。身も心もサッパリしました。
こうして今では、一週間に２回、施設で入浴をしています。
このことは、僕の生活の中で、なくてはならないものになっています。
体を清潔にしておくことは、自分自身とても気持ちがいいですし、親もとても喜んでいます。
入浴は、本当に僕達に必要な、そして僕達や家族にとって大変有り難いサービスでした。

記事担当：正信